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   坂東玉三郎:伝統そのままの昆劇『牡丹亭』を演じるために全力を盡くす
 

坂東玉三郎:伝統そのままの昆劇『牡丹亭』を演じるために全力を盡くす

   日本の歌舞伎の大禦所が蘇州の崑曲を學びに來て、どんな苦労があったのだろうか?
   蕓術性の高い要素を表現する昆劇は、歌舞伎の創作と進歩にとってどのような手本となり、影響を與えたのだろうか?坂東玉三郎は、女形が中國の演劇の中で演じ続けられて來たことについてどのように思っているのだろうか?
   中日版『牡丹亭』が3月13日、14日に蘇州科技文化蕓術センターで上演されることになり、崑曲の故郷である蘇州の崑曲ファンを大喜びさせていると同時に多くの質問も寄せられている。

   中日版『牡丹亭』の総監督であり主演でもある坂東玉三郎は3月2日午後、蘇州昆劇院の劇場で行った記者會見でたくさん寄せられた質問に答えた。坂東玉三郎は、今回の蘇州での公演では、歌舞伎の要素を昆劇の表現に付け加えたりはせず、非常なプレッシャーのある中で、できるだけ自分で昆劇の本質的な表現を理解し演技するように努力している、と語った。

 

 

   崑曲と歌舞伎は「相互交流」は出來ないだろうか
   坂東玉三郎は今まで新作品の創作に加わったり、異業種の蕓術家とのコラブレーション(共演)を多く行って來た。彼は歌舞伎について大変に造詣が深いばかりでなく、蕓術の各點の分野、舞踴、楽器演奏、映畫、舞臺劇、最近では中國伝統の戯曲にまで手を広げるなど幅広く活躍している。2008年、坂東玉三郎は中國江蘇省蘇州昆劇院との合作による中日版『牡丹亭』と歌舞伎の『楊貴妃』を日本の京都南座と北京の湖広大劇場で公演を行い、中日の蕓術交流の新たなページを開いた。
   坂東玉三郎は、かつて中國の京劇と日本の歌舞伎の共演を考えたことがあり、歌舞伎の『楊貴妃』を創作する時に京劇の演目『貴妃酔酒』の中の素晴らしい箇所だけを歌舞伎の演技に取り入れたことがある。

   京都、北京、蘇州の三ヶ所で30回余りの中日版『牡丹亭』の公演を行った後、中國、日本の二つの無形文化が共同で公演する機會があるのだろうか?坂東玉三郎は否定的な答えだった。彼は、昆劇と歌舞伎の演技の類似點は殆ど無い、しかし両者の蕓術性の面から見れば、両者は互いに影響を受けている、いかに役柄を作るかと言う點では、一部の役柄に対しては共演の可能性はある、と語り、更に、歌舞伎の演技や手法を使って昆劇を変えるようなことは全く必要ではなく、真剣に崑曲の伝統に従って崑曲を演じるだけである、中日版『牡丹亭』は伝統的な崑曲に立ち返るべきである、と語った。
   崑曲は600年余り前に始まり、大體450年前に昆劇として完成されたとされ、日本の「能」や「歌舞伎」の始まりと重なっている。中國と日本の伝統的で素晴らしい蕓術文化は文化の保存と伝承の面で多くの困難を抱えている。坂東玉三郎は、伝統蕓術はただ保存するだけ、博物館に送って保存するだけでは全く意味が無く、伝統蕓術は進歩させながら継承して行くべきである、と語った。この點だけでも、青春版『牡丹亭』は理想的な役割を果たしていると言えるだろう。

 

 

   「崑曲の故郷での公演は大きなプレッシャーがある」
   2月28日、坂東玉三郎は蘇州に著くとすぐに精力的に『牡丹亭』の準備に入った。
  彼は、飛行機を降りるとすぐに蘇州科技文化蕓術センターの大劇場に駆けつけ、劇場の視察や劇場の照明や音響効果のテストを行うほどした。

   3月1日、中日版『牡丹亭』のリハーサル開始式の後、坂東玉三郎は緊張した面持ちでリハーサルに參加した。
   蘇州は崑曲の故郷であり、ここでの公演は非常にプレッシャーがある。『牡丹亭』の演出を自分一人でやることは出來ないが、しかし、自分の頑張りと蘇州昆劇院の指導や助けを借りて、全力で取り組んだ結果を演技に出していきたい、と話した。坂東玉三郎は、自分と昆劇院の俳優との共演が「崑曲の故郷」の観客の眼鏡に適うことができるかどうか楽しみである、と語った。彼はまた、『牡丹亭』のような戀物語の題材は歌舞伎の中にもたくさんあるので、ストーリーを理解することに苦労はない、しかし、崑曲を學ぶ、一人の外國人の立場から言えば、最も難しいのは、「せりふを発する」ことである、『牡丹亭』の內容は上品で、劇中の會話も詞の朗誦でも豊かで奧深い思いを表現している、劇中の主人公、杜麗娘はわずかニ八の年齢(2×8=16歳)、演技の重點を『牡丹亭』のストーリーの奧深さに置くのか、杜麗娘の乙女心に置くのか演技者として悩むところである、観衆の反応がそれを決める助けになることを期待している、と語った。

 

 

   科文センターは縁のある人を呼び集める場所
   坂東玉三郎と世界的なチェロ演奏家の馬友友氏は共に蕓術に熱意を持つクリエーター。二人は1997年にはバッハのインスピレーションミュージック映畫の第五部作品『希望への苦闘』を共同で演出している。この共同製作の際、日本の伝統的な歌舞伎蕓術と西歐のバロック音楽とがぶつかり、激しい火花が散ったことは世界的にも有名な話で、東洋と西洋の文化が融合し、蕓術は両者の境界を越えたのであった。
   科文センター大劇場の舞臺は縁の有る人が集まる場所で、2007年、馬友友氏はシルクロード楽団(絲路合奏団)と科文センター大劇場で『シルクロード』を演奏した。ちょうど2年後に坂東玉三郎は同じ舞臺で蘇州昆劇院と合作で中日版『牡丹亭』を演じようとしている。
   この偶然の一致を坂東玉三郎に話すと、彼も疑わしげに科文センターの責任者に確かめ、それが事実だと知ると、事の意外さに驚くと同時に嬉しそうであった。

 

 

   科文センターの大劇場を実際に視察している中で、坂東玉三郎は科文センター大劇場の構造や設備については高い評価をした。彼は、科文大劇場は非常に素晴らしい劇場である、彼の今までに公演を行ってきた世界の劇場と較べてなんら遜色がない、ただ一つ心配なことは、科文大劇場の舞臺が比較的広いと言うことである。この大きな舞臺の上で崑曲を上演すると、観客との間の交流にやや距離感が出る、劇の腳本を今更変更することは出來ないので、今後のリハーサルの中で、時間が許す限り彼の演出を変えて行き、最高の演出で観客の期待に応えるよう全力を盡くす、と話していた。

 

2009/3/4

 

 

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